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利尿薬

利尿薬は、うっ血性心不全や浮腫に対して体内の水やナトリウムの排泄促進を目的として使用する場合と、高血圧に対して血圧を下げることを期待して使用する場合があります。

人体は発汗や腎機能によって適宜余分な水分を排泄しています。しかし、腎障害や心不全などさまざまな病態では適正な電解質・水分の排泄が困難となり、身体に重大な機能不全をもたらします。

利尿薬は電解質・水分の排泄を促進することによってこのような病態およびその二次的障害を除く作用を持っています。

1.基本的な使い方

作用が確実で、単独投与で十分効果の期待できるものを第一選択とします。安易に長期投与をしないことが大切であるほか、効果のない場合に増量しても意味がありません。無効の場合は作用機所の異なったものを使用します。利尿薬を使うときにはナトリウムや水分摂取制限、正しい食事療法、安静などの基本的治療も必ず行いましょう。

また、小児・高齢者では、尿中尿素窒素、クレアチニン、血中・尿中電解質測定を頻回に行うほか、定期的な心電図検査も不可欠です。

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2.利尿薬の種類と作用機序

腎臓における尿の生成は、血液が糸球体でろ過され尿細管で水やナトリウムなどの再吸収が行われる過程を経て1日1000~2000ml生成されます。

(1)サイアザイド系利尿薬
ジギタリス製剤と併用しているときはとくに低カリウム血症、低マグネシウム血症に注意しないと、不整脈などのジギタリスの中毒症状が出やすくなります。

(2)ループ利尿薬
1日2回の投与のときは夜間頻尿を防ぐため、朝・昼食後と服用するのが通常だが、その人の職業や生活パターンに合わせて服用時間を工夫すると良いでしょう。

(3)カリウム保持性利尿薬
低カリウム血症の予防に用いられるため、逆に高カリウム血症になることがあるので注意しましょう。

(4)その他

炭酸脱水素阻害薬(アセタゾラミドなど)
現在はより優れた薬剤があるため、利尿薬として用いられるよりは緑内障、肺性心の呼吸性アシドーシス、てんかん、周期性四肢麻痺、水頭症、メニエール病、月経前緊張症、睡眠時無呼吸症候群など特殊な症例で用いられる。

浸透圧利尿薬(マンニトール、イソソルビド、グリセリンなど)
糸球体でろ過されても再吸収されず、化学的変化を受けないため尿細管浸透圧が増加し、水やナトリウムの再吸収が抑制されます。脳圧低下や消化管有毒物質の排泄のために経口で用いられます。

ナトリウム利尿ペプチド(カルペリチド)
アミノ酸28個からなるペプチドホルモンで、強力な利尿、ナトリウム利尿、血管平滑筋弛緩作用を持っています。さらに、レニン・アルドステロン分泌も抑制し心不全時に観察される悪循環にあらゆる部位で作用する新しい形の利尿薬です。

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利尿薬は種類によって作用機序や、利尿の強さも異なります。また、疾患による使い分けもあり、副作用・相互作用もことなります。服用・ご使用の際は医師の指示された用法・用量を守ってください。

以上で今回の「薬剤講座」は終了します。

(参考・引用文献)

  • 今日の治療薬
  • 処方がわかる医療薬理学