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動作介助の仕方7~歩行・階段昇降の介助方法~

今回は、「歩行・階段昇降の介助方法」を紹介していきます。

まずは、歩行で使う補助具(杖・装具)について説明していきます。

●杖にはいろいろな種類があります。その人の状態に合わせて、どの種類の杖を使うのか選択していきます。

1.腕の力がある人むき

T字杖:最も一般的に使われているものです。

長さの調節ができたり、折りたたんで持ち運びが出来る物などがあります。

2.歩行が不安定な人むき

三脚杖・四脚杖:T字杖よりも支持面が広いので安定します。ただし、全ての支持点をしっかり接地していないと、非常に不安定になります。

※杖の高さのチェックポイント

杖の高さについては、自分に合っているかを確認するために、リハビリの専門家に相談することをお勧めします。

●次は装具についてです。

つま先がひっかかったり、不自由な方の足で体重を支える時に使われたりしています。


それでは、実際の介助方法について、説明していきます。

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1.杖歩行での介助方法

※杖は、片マヒの場合、良い方の手で持ちます。

※介助者は、対象者の杖を持っていない側(マヒしている側)に立ち、ズボンあるいは、ベルトを腰の位置でしっかりと握ります。

  1. 最初に杖を前方に出します。
  2. 杖と反対側の足を1歩踏み出します。
  3. 最後に杖と同じ側の足を1歩踏み出します。

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2.階段昇降時の介助方法

1)上るとき

※杖は、片マヒの場合、良い方の手で持ちます。

※介助者は、対象者の杖を持っていない側(マヒしている側)に立ち、ズボンあるいは、ベルトを腰の位置でしっかりと握ります。

※介助者が倒れそうになっても、斜め後方から支える事で、身体の重みに耐えられ、簡単に支える事が出来ます。

  1. 最初に杖を前方に出します。
  2. 杖と同じ側の足を1歩踏み出します。
  3. 最後に杖と反対側の足を1歩踏み出します。
2)下りるとき

※杖は、片マヒの場合、良い方の手で持ちます。

※介助者は、対象者の杖を持っていない側(マヒしている側)に立ち、ズボンあるいは、ベルトを腰の位置でしっかりと握ります。

※介助者は、先に1段下に足を下ろしておきます。そうすることで、対象者が前方へ倒れそうになった時にしっかりと支えることが出来ます。

  1. 最初に杖を前方に出します。
  2. 杖と反対側の足を1歩踏み出します。
  3. 最後に杖と同じ側の足を1歩踏み出します。


※手すりを使用することで、介助が楽になります。
 動作の順番や注意点は杖を使う時と一緒です。

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以上で、今回のリハビリテーション講座を終わります。

次回は、「移乗動作の介助方法」について紹介していく予定です。

(参考・引用文献)

  • 木村哲彦:イラストによる安全な動作介助の手引き.医歯薬出版,2001,p88-89,p91-92.
  • (社)日本理学療法士協会編:家庭でできるリハビリテーション.アイペック,2001,p63-70.