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動作介助の仕方5 ~座位姿勢・動作の介助方法~

今回は、「座位姿勢・動作の介助方法」を紹介していきます。まずは、座位を行うことの重要性について述べていきます。

(1)日常生活において、様々な活動に用いられる
例:食事、着替え、読書、テレビ鑑賞など
(2)寝たきりの予防
長時間の寝たきりによって、筋力低下、心臓の働きや血管の働きが低下し、血液の循環も悪くなりやすいです。
(3)認知症予防
座ることで、視界が広がり、周囲からの情報が入ることで、脳への刺激となる。

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次に座位の姿勢を紹介します。

1.脚を伸ばしたまま座る場合(長座位)


※ベッド上での更衣や食事、布団から起きた時にこの姿勢をとります。

※ももの裏から膝の裏にかけてのすじが硬くなると、この姿勢をとりにくくなります。

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2.腰掛けて座る場合(椅子座位)

※ベッド上での生活では、よくこの姿勢をとります。

※片マヒの方ではマヒしている側に介助者がつきます。

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続いて、座位姿勢での移動動作介助方法について紹介していきます。

全介助による移動


(1)両手を胸の前で組ませ、介助者は脇の下から手を入れ、対象者の前腕を持ち、片膝をつく


(2)介助者は後方に持ち上げていく。


(3)介助者は後方に倒れるように対象者を引いていく。

※注意点として、対象者が重い場合は、無理に持ち上げることは避ける。

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前方いざり

①−a:介助者は対象者の後方につきます。そして、対象者は悪い方の脚の下に良い方の脚を入れ、床に手をつかせます。

①−b:介助者はズボンと肩を掴み、介助します。

②−a:対象者は手に体重を移動させ、押してもらいながら、良い方の脚で床を蹴るようにして移動します。

②−b:介助者は腰が浮いたところを動く方へ介助して移動させます。

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横いざり


前方移動・後方移動の要領で、脚を組みます

腰を浮かした所を横へ移動させます。

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端座位横移動

① 介助者は前方に位置します。

② 対象者は身体を前方へ倒していきます。

③ 手と足で押しながら、腰を持ち上げ、良い方へ横移動していきます。

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以上で、今回のリハビリテーション講座を終わります。

次回は、「立ち上がり動作の介助方法」について紹介していく予定です。

(参考・引用文献)

  • 木村哲彦:イラストによる安全な動作介助の手引き.医歯薬出版,2001,p41-47