トップページ  > 先端医療講座 > 検体検査ってなあに?(尿一般検査編)

検体検査ってなあに?(尿一般検査編)

尿は老廃物や過剰に外来から摂取されたものが、腎臓で濾過され排出されたものです。

体内から排出された尿を調べる事で、腎臓・尿路系疾患の診断はもとより、全身性の疾患の診断にも有用な情報を得る事が出来ます。

当院検査室では、ARKRAY社製 AX-4280という測定機器を用いて検査を実施しています。


ページのトップに戻る

測定項目と基準値は次のようになります。

検査項目 基準値
尿量 200~2000ml/日
比重 1.005~1.030
pH 5.0~7.5
蛋白・定性 25mg/dl以下(−)
蛋白・定量 25~60ml/日
ブドウ糖・定性 30mg/dl以下(−)
ブドウ糖・定量 40~80mg/日
ウロビリノゲン定性 (±)
ビリルビン定性 (−)
ケトン体 (−)
潜血反応 (−)

上記の他に妊娠反応検査、微量アルブミン検査、尿沈査などの検査も実施しております。

ページのトップに戻る

妊娠反応検査

妊娠反応検査はヒト絨毛性ゴナドトロピン(以下HCG)を検出する検査です。HCGは妊娠初期から母体尿中に排出されます。妊娠する事により胎盤から生産される性腺刺激ホルモンなのです。

HCGはその他流産、子宮外妊娠、胞状奇胎などの異常妊娠や絨毛性疾患の診断や管理に役立ちます。当院ではカラーイムノクロマトグラフ法による検出キットを用いて検査しています。

ページのトップに戻る

微量アルブミン検査

尿中微量アルブミンの検査は糖尿病性腎症の早期発見に有力な指標とされています。

糖尿病による腎臓の障害がおこると尿中に蛋白が検出されるようになります。
しかし、この段階では腎組織(腎糸球体)障害が進んでしまっていて、厳格な血糖及び血圧のコントロールを行っても改善が期待できないとされています。
その為、早期腎症の段階で検出される微量アルブミンを検出する事により、より早く適切な治療を行うことが出来ます。
当院でもこの程ARKRAY社製 AE-4020を導入し、より正確な値を提供できるようになりました。


ページのトップに戻る

尿沈査検査

尿沈査検査とは尿中の有形成分を顕微鏡を用いて分類判読する検査です。

定性検査陰性検体の内約20%で尿沈査が陽性であったというデータもあり、重要な検査の一つにもあげられます。
腎臓に由来する硝子円柱、蝋様円柱などの各種円柱、腎臓・尿路系に由来する赤血球、白血球、上皮細胞、異型細胞、細菌、その他尿中に析出するシュウ酸カルシウムなどの各種結晶、また投与薬剤の結晶など各種多彩です。
これらの量や種類の出現情報は腎臓・尿路系疾患の鑑別とその程度を知る上で、とても重要です。

ページのトップに戻る

ケトン体

ケトン体とは主に肝臓で脂肪酸の酸化により生成されるアセト酢酸、β(または3)−ヒドロキシ酪酸、アセトンの総称でエネルギー源として必須な成分です。通常尿中には微量しかなく、検出されることはありません。しかし、重症糖尿病や飢餓、摂食障害、過脂肪食、嘔吐、下痢、脱水、妊娠悪阻、甲状腺中毒症、消化吸収障害、小児自家中毒などの場合陽性となります。

ページのトップに戻る

ビリルビン

ビリルビンには間接ビリルビンと直接ビリルビンの2種類があり、肝臓で生成されます。

直接ビリルビンは腎臓での排泄閾値を越えると尿中に排泄されますが、間接ビリルビンは水に不溶で腎臓を通過しないので血中の濃度が上昇しても尿中に排泄されることはありません。
そのため、尿中ビリルビン検査は黄疸をきたす閉塞性黄疸・肝細胞性黄疸、溶血性黄疸などの鑑別上重要となります。

ページのトップに戻る

ウロビリノゲン

ウロビリノゲンはビリルビンが腸管内にいたり、腸内細菌の還元作用によって生成された物質です。
尿中ウロビリノゲンは肝機能障害、体内ビリルビンの生成亢進、腸管内停滞(頑固な便秘、腸閉塞)などで増量します。
また、胆道閉塞あるいは肝性黄疸の極期では欠如または減量します。
抗生物質の長期多量投与などでも腸内細菌による還元作用が低下し減少しますが、このように特に、尿中での著明な増量や欠如の場合に臨床的に重要となります。

ページのトップに戻る

(参考・引用文献)

  • 臨床検査法提要(金原出版)