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動作介助の仕方2 ~臥位におけるポジショニングについて~

今回から「動作介助の仕方」の具体的な内容として、臥位=寝ている状態でのポジショニングについて紹介していきます。

ベッド等に寝かせている状態でもよい姿勢、悪い姿勢とあり、よい姿勢をしてもらう目的を以下に紹介します。

適切なポジショニングを行う目的

  1. 床ずれ予防
  2. 関節拘縮予防
  3. 筋肉のこわばりを軽減させる
  4. 日常生活における動作への悪影響を軽減させる

次に、臥位にはどのような種類があるのか、また、その臥位のとらせ方を紹介していきます。

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臥位の種類

臥位には、主に仰向け、うつ伏せ、横向きと3つの種類があり、それらをうまく使い分けながら、よい姿勢を保ちます。

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仰向けのとらせ方

この姿勢では左右が対象になるように注意し、枕やクッション等を使って十分に支えていきます。

麻痺のある方々は、麻痺している側の肩や骨盤が体の後方に落ち込みやすいので、肩や骨盤の下に枕を入れます。また、腕全体を枕に乗せ、膝の下に小さな枕で軽く支えます。

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うつ伏せのとらせ方

この姿勢では顔は左右どちらかに向けておく。

胸から腹部にかけて枕を入れ、膝から下にも枕を使い軽く支えてあげる。

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横向きのとらせ方

横向きをとらせる場合、麻痺がある方には、麻痺している側を下にする方法と上にしてやる方法の2種類があります。

1.麻痺している側を下にする場合
体を少し、後ろへ傾け、枕で支えます。下側の肩は体で押しつぶれないように、しっかり前へ出し、脚は少し、曲げた状態にします。頭もまっすぐになるようにします。

2.麻痺している側を上にする場合
体をベッドに対して、ほぼ直角にします。枕を抱え込むようにし、脚の間に枕を入れます。上側の脚は少し曲げ、バランスを保ちます。下になっている腕は体の前に出します。

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以上で今回のリハビリテーション講座を終わります。

次回は「寝返り動作の介助方法」を紹介する予定です。

(参考・引用文献)

  • 木村哲彦:イラストによる安全な動作介助の手引き.医歯薬出版,2001,p32−33
  • 石川齋:図解理学療法技術ガイド理学療法~臨床の場で必ず役立つ実践のすべて~第2版.文光堂,2004,p369-373