高血圧のお薬(2)
前回は、血圧の分類、本態性高血圧と二次性高血圧、高血圧治療薬の分類について紹介しました。
高血圧治療薬は血圧の高さでお薬の種類や量が決定されるのではなく、症状や合併症を加味し、総合的に医師が判断します。
今回は、降圧の目標、リスク(危険度)の階層化と危険因子、高血圧の管理を中心に紹介します。
1.降圧の目標
高血圧の方にお薬を服用していただき、血圧を下げることを降圧と言います。年齢や合併症の有無によって、降圧の目標値は異なりますが、高齢者の場合、収縮期血圧が140未満、拡張期血圧が90未満(以下、収縮期血圧/拡張期血圧で記載します。)が目標です。糖尿病、腎障害の合併症がある方の場合、130/80未満、高齢者以外は、130/85未満が目標となります。(高血圧治療ガイドライン2004:日本高血圧学会より)
2.リスク(危険度)の階層化と危険因子
高血圧の方の危険度は血圧分類、危険因子、高血圧性臓器障害、心血管病により、低リスク、中等リスク、高リスクの3群に階層化しています。この分類を基に、治療計画を決定して行きます。



3.高血圧治療の進め方
高血圧と診断された場合、すぐにお薬で治療するわけではありません。リスクを判定し、症状によって段階的に進められます。

低リスクの方は、3ヶ月の生活習慣の修正を行い、それでも血圧が下がらない場合、薬物治療を行います。
中等リスクの方は、1ヶ月の生活習慣の修正を行い、それでも血圧が下がらない場合、薬物治療を行います。
高リスクの方は、生活習慣の修正を行いながら、ただちに薬物治療を始めます。
生活習慣の修正項目を以下に示します。
- 食塩制限6g/日未満
- 野菜、果実の積極的摂取(コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える)
- 適正体重の維持
(BMI=体重(Kg)÷〔身長(m)×身長(m)〕で25を超えない)- 運動療法
心血管病のない高血圧患者が対象で、有酸素運動を毎日30分以上を目標に行う- アルコール制限
エタノールで男性は20~30ml/日以下、女性は10~20ml/日以下- 禁煙
また、お薬による治療を開始しても十分な効果が得られない場合は、服用量の変更や異なった系統のお薬を追加します。

高血圧治療薬は、高血圧が続く限り服用し続けます。一時的に血圧が下がったからと言って、自分の判断でお薬を飲むのを止めると、血圧はもとに戻ります。
また、長く飲むので、その間に他のお薬を別の医師から処方してもらうことや市販のお薬を飲むことがあると思います。飲み合わせの悪いお薬がありますので、必ず医師または薬剤師に相談してください。
以上で、今回の「薬剤講座」は終了します。
次回は、高血圧のお薬(3)について予定しています。