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嚥下障害に対しての環境設定
~はじめに~
今回は、嚥下障害に対する環境設定について紹介したいと思います。摂食・嚥下障害は、食べる時の角度設定や道具の工夫をする事で食べやすくなる事があります。
そこで、今回は姿勢や自助具などについて紹介します。
1.食事姿勢
なかなか上手に食事を食べれない方でも、姿勢一つで上手に食べれるよう になる事があります。今回は代表的な姿勢とその長所と短所について説明したいと思います。
- 1)30°仰臥位(リクライニング位)
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利点:口から食べ物がこぼれにくく、舌の力を使わなくても重力で食べ物がのどのほうへ行きやすい。
欠点:自分の手で食べることが難しいことが挙げられます。
- 2)90°座位
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利点:自分で食べやすく、胃から口へと逆流しにくいことが挙げられます。
欠点:口から食べ物がこぼれやすい、舌の力が弱い人は食べ物をのどへと送り込みにくいことが挙げられます。
- 3)頸部前屈位
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<前屈しないと>
食道と気管が直線になり、肺のほうに食べものが行きやすくなってしまう。
<前屈すると>
食道と気管に角度がついて、肺に食べ物が行きにくくなる。
2.自助具
自助具とは、手に麻痺がある等でなかなか上手にご飯を食べる事が難しく なった時にお皿やお箸・スプーンを工夫する事で食べやすくなる食器です。
今回は、その一部を紹介したいと思います。
- 1:皿
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普通皿
すくいやすい皿
お皿の縁が高くなっており、取りやすくなっています。
- 2:スプーン
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柄が太いスプーン
握力が弱い方やスプーンが持ちにくい方も簡単に持つ事ができます。
右に曲がっているスプーン
スプーンが曲がっている為、少し動かすだけで口元に運ぶ事ができます。
(参考文献)
- 脳卒中の摂食・嚥下障害 第2版 藤島 一郎
- 嚥下障害ポケットマニュアル 聖隷三方原病院嚥下チーム