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自宅や施設で出来る嚥下評価

~はじめに~

今回は摂食・嚥下障害の有無を確認するために自宅や施設で出来る簡単な検査として

①摂食・嚥下障害の質問紙
②反復唾液テスト(RSST)
③水飲みテスト

を紹介します。

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①摂食・嚥下障害の質問紙

あなたの嚥下(飲み込み、食べ物を口から食べて胃まで運ぶこと)の状態について、いくつかの質問をいたします。いずれも大切な症状です。よく読んでA,B,Cのいずれかに丸を付けてください。この2,3年のことについてお答え下さい。
質問紙を印刷する場合は、こちらをクリックしてください。(PDFファイルが開きます)

1.肺炎と診断されたことがありますか?
A.繰り返す B.一度だけ C.なし
2.やせてきましたか?
A.明らかに B.わずかに C.なし
3.物が飲み込みにくいと感じることがありますか?
A.よくある B.ときどき C.なし
4.食事中にむせることがありますか?
A.よくある B.ときどき C.なし
5.お茶を飲むときにむせることがありますか?
A.よくある B.ときどき C.なし
6.食事中や食後、それ以外の時にものどがごろごろ(たんがからんだ感じ)することがありますか?
A.よくある B.ときどき C.なし
7.のどに食べ物が残る感じがすることがありますか?
A.よくある B.ときどき C.なし
8.食べるのが遅くなりましたか?
A.たいへん B.わずかに C.なし
9.硬いものが食べにくくなりましたか?
A.たいへん B.わずかに C.なし
10.口から食べ物がこぼれることがありますか?
A.繰り返す B.一度だけ C.なし
11.口の中に食べ物が残ることがありますか?
A.よくある B.ときどき C.なし
12.食物や酸っぱい液が胃からのどに戻ってくることがありますか?
A.よくある B.ときどき C.なし
13.胸に食べ物が残ったり、つまった感じがすることがありますか?
A.よくある B.ときどき C.なし
14.夜、咳で寝れなかったり目覚めることがありますか?
A.よくある B.ときどき C.なし
15.声がかすれてきましたか(がらがら声、かすれ声など)?
A.たいへん B.わずかに C.なし
評価基準
Aがひとつでもあった場合・・・嚥下障害あり
Bがひとつでもあった場合・・・嚥下障害の疑い
全てCだった場合・・・・・・・・・特に問題なし

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② 反復唾液飲みテスト(RSST)

検査方法 : 30秒間で何回つばを飲み込めるかを確認します

評価基準 : 30秒間で3回以上出来れば正常です(2回以下は異常)

③ 水飲みテスト

検査方法 : コップに常温の水30ccを用意し、普段通りに飲みます

評価基準

正常 : 1回でむせなく飲むことができる(5秒以内)

疑い : 1回でむせなく飲むことができる(5秒以上)
2回以上に分けるが、むせなく飲むことができる

異常 : 1回で飲むことができるが、むせることがある
2回以上に分けて飲むにもかかわらず、むせることがある
むせることがしばしばで全量飲むことができない

~おわりに~

今回は、自宅や施設で出来る嚥下評価を紹介しましたが、これらはあくまで簡易検査の一部であるため、確実なデータとは言えません。実際、私たち言語聴覚士はいくつかの検査を行いそのデータを総合的に判断し、摂食・嚥下障害と評価していきます。気になる方はかかりつけのお医者さんに相談することをおすすめします。

次回は、病院で行う摂食・嚥下障害の検査法についてお話をしますので、よろしくお願いします。

(参考文献)

  • 脳卒中の摂食・嚥下障害 第2版 藤島 一郎
  • 嚥下障害ポケットマニュアル 聖隷三方原病院嚥下チーム