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蕁麻疹(じんましん)のお薬

蕁麻疹とは皮膚に突然、強いかゆみとともに紅斑を伴う膨疹(皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がること)を多発する疾患です。

通常は数時間以内に跡かたなく消えてしまいますが、中には半日から1日くらいまで続くものもあります。

もし一度出現した皮疹が何日もそこに残り、特に後に茶色い色がついたり表面がガサガサしていたり、ポロポロ剥がれ落ちたりするようでしたら蕁麻疹ではなく別の病気が疑われます。かゆみを伴う赤い発疹があった場合、虫刺されや湿疹である可能性もあります。

蕁麻疹と虫刺されや湿疹とでは治療法が異なりますので、きちんと皮膚科専門医の診断を受けることが大切です。

今回は、蕁麻疹のお薬についてお話します。

1.蕁麻疹の種類

日本皮膚科学会によって作成された治療ガイドラインによると大まかに

  1. 特発性の蕁麻疹
  2. 特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる蕁麻疹
  3. 特殊な蕁麻疹

の3つに分けられます。
このなかでも原因や症状などの特徴や定義が比較的はっきりしている種類として以下のものがあげられます。

種類 原因・症状
急性蕁麻疹 毎日のように繰り返し症状が現れる蕁麻疹のうち、発症として1ヵ月以内のもの。細菌、ウイルス感染などが原因となっていることが多い。
慢性蕁麻疹 毎日のように繰り返し症状が現れる蕁麻疹のうち、発症として1ヵ月以上経過したもの。原因が特定できないことが多い。
物理性蕁麻疹 機械的擦過や圧迫、寒冷、温熱、日光、振動などといった物理的刺激により起こる。
アレルギー性蕁麻疹 食べ物や薬剤、昆虫などに含まれる特定物質(アレルゲン)に反応して起こるもの。アレルゲンに結合するlgEという血清蛋白が関与する。
イントレランス アスピリンなどの非ステロイド系消炎鎮痛薬、色素、造影剤、食品中のサリチル酸などにより起こる蕁麻疹で、lgEが関与しない。

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2.蕁麻疹の治療法

蕁麻疹の治療の第1は、できるだけ原因・悪化因子を探し、それらを取り除く、または避けるようにすることです。
第2は薬による治療です。先にあげたほとんどの蕁麻疹はヒスタミンという物質が血管および神経に働くことで症状が現れます。そこでこのヒスタミンの作用を抑えるために、抗ヒスタミン薬または抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬が用いられます。
漢方薬や普段は胃薬として使用するヒスタミンH2受容体の拮抗薬を用いる場合もあります。また、重症の場合にはプレドニゾロンやベタメタゾンといったステロイド剤も用いられます。

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3.抗ヒスタミン薬

ここで、抗ヒスタミン薬と抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬について説明します。
ヒスタミンH1受容体の拮抗薬を抗ヒスタミン薬と呼びます。この抗ヒスタミン薬は古典的な「第一世代」と第一世代の副作用を抑えた「第二世代」の大きく二つに分けられます。
第一世代の抗ヒスタミン薬は、蕁麻疹などの原因となる物質がH1受容体と結合するのを競合的に阻害することで蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、花粉症、くしゃみ、鼻汁などアレルギー症状に有効です。
第二世代の抗ヒスタミン薬は抗アレルギー薬に分類されます。H1受容体拮抗作用以外にケミカルメディエーター遊離抑制作用(蕁麻疹をはじめとするアレルギーを起こす物質の放出を抑制する作用)なども併せ持っています。
以下に蕁麻疹に用いる代表的なお薬を紹介します。

種類 一般名 商品名
抗ヒスタミン薬 ヒドロキシジン アタラックス®など
クロルフェニラミン ポララミン®など
シプロヘプタジン ペリアクチン®など
抗アレルギー薬 メキタジン ゼスラン®など
ケトチフェン ザジテン®など
アゼラスチン アゼプチン®など
オキサトミド セルテクト®など
エピナスチン アレジオン®など
セチリジン ジルテック®など
フェキソナフェジン アレグラ®など
エバスチン エバステル®など

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4.服用する際に注意すること

特に抗ヒスタミン薬は眠気、全身倦怠感、口渇、尿閉、眼圧上昇といった副作用が現れやすいお薬です。自動車の運転や高所での作業をする人には使用を避けます。前立腺肥大や緑内障がある人は症状がひどくなることがあるので使用できません。
また、胎児に対する安全性が十分に確立されていないので、経口抗アレルギー薬の妊婦への投与は基本的に控えるようにしています。

症状の軽減や増悪を防ぐために、早めに受診することが必要です。診断や治療は専門医に診てもらいましょう。

以上で、今回の薬剤講座を終了します。

次回は、『ヘルペスのお薬』について予定しています。

(参考・引用文献)