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血栓症のお薬~抗凝固薬~
「薬剤講座」<34>では血栓症のお薬である「抗血小板薬」についてお話しましたが、今回は「抗凝固薬」のワルファリンカリウムについてお話します。

ワルファリンカリウムは、ビタミンKと化学構造が類似しているため、肝臓で血液凝固作用に関係しているビタミンKの作用を阻害します。
そうすると、ビタミンK欠乏状態が引き起こされ、血液を凝固させるのに必要な「プロトロンビン」という凝固因子が生成されなくなります。
その結果、血液が固まりにくくなります。しかし、ワルファリンカリウムには直接の凝固作用はないため、すでに形成された血栓を溶解する作用はありません。血栓の予防あるいは進行の抑制を目的に使用します。
1. 薬の飲み方について
先生から言われた通りのお薬の量を毎日出来るだけ同じ時間に飲んでください。もし飲み忘れた場合には、気づいたらすぐに1回の量を飲んでください。次にお薬を飲む時間が近くなって飲み忘れに気づいた場合もまとめて2回分飲むのではなく、1回分だけ飲んでください。
2. 診察において
他の先生(医師・歯科医師)に見てもらうときや薬局で薬剤師の先生に相談するときには、ワルファリンカリウムを飲んでいることを伝えてください。
ワルファリンカリウムは飲み始めてから作用が安定するまでに時間がかかり、効果に個人差がみられます。ワルファリンカリウムを服用中はどの程度効いているのかを定期的に検査しながら量を調節する必要があります。そのために、凝固検査のプロトロンビン時間(PT)検査が主に行われます。異なる病院でも評価が出来るように最近は検査結果を国際標準化プロトロンビン比(INR)で表す病院が増えています。
また手術や歯を抜くなど出血する可能性のある治療を受けるときやワルファリンカルウムを飲んでいるときに他のお薬を飲んだり、今一緒に飲んでいるお薬をやめるときは必ず主治医に相談してください。
3. 日常生活での注意
出血をしないように気をつけてください。例えば、けがをする恐れのある仕事や運動は避ける、歯ブラシはやわらかめを使ってあまり強く磨きすぎない、男性の方のひげ剃りは安全カミソリではなく電機カミソリを使う、などを心がけてください。
納豆やクロレラ、青汁は食べないでください。納豆やクロレラにはワルファリンカリウムの働きを弱めるビタミンKが多く含まれています。また納豆の場合は納豆菌が腸内でビタミンKを作り出す可能性があります。このため、抗凝固薬が全く効かなくなくことがあります。
緑黄色野菜や海藻類もビタミンKが含まれています。お浸しや味噌汁に入っているくらいを食べるのはかまいませんが、一度にたくさんは摂取食べないでください。
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品は避けてください。ワルファリンカリウムの作用を弱めるおそれがあります。
またアルコールは飲み過ぎないようにしてください。
体の異常を感じたらすぐに主治医に相談してください。
ワルファリンカリウムを飲んでいる時は妊娠をさけてください。もし、妊娠を希望される場合は必ず事前に先生に相談してください。
以上で、今回の「薬剤講座」は終了します。
次回は、「脳梗塞のお薬」について予定しています。
(参考・引用文献)
- おくすり110番ホームページ
- エーザイ「ワーファリンを服用される患者さんへ」
- 超図解 薬はなぜ効くか 田中正敏
- 今日の治療薬2006 水島裕
- スキルアップのための服薬指導サブノート 改定2版 山田浩一
- 国立循環器病センターホームページ
- 株式会社アットウィルホームページ