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ADLの介助の仕方6~更衣について 2~

今回は、前回に引き続き「更衣(着替え)の介助」について紹介していきます。
後半はズボンの更衣について紹介します。

では、片マヒ者のズボンの着脱について説明します。座位で行う一般的な更衣の方法について紹介します。座位で行う場合は、座位のバランスが安定していることが条件となります。
まずは、ズボンの着脱の方法についてです。

ズボンの履き方(右片マヒの場合)

  1. マヒ側の膝が上になるよう足を組む。
  2. まず、マヒ側の足先にズボンを通す。
  3. 膝までズボンを引き上げたら、マヒ側の足を床に下ろす。
  4. 次に、よい方の足にズボンを通す。
  5. 立ち上がり、ズボンをウエスト部分まで出来るだけ引き上げる。
  6. 腰をおろし、ファスナー又はボタンをとめる。
ズボンの脱ぎ方(右片マヒの場合)

  1. ズボンのボタン・ファスナーをはずす。
  2. 立ち上がり、ズボンを下ろす。
  3. ベッドに座り、ふくらはぎ部分までズボンを下ろす。
  4. よい方の足から先に足部をズボンから抜く。
  5. マヒ側の足を上に膝を組み、ズボンを抜く。

続いて、ズボン着脱の工夫について紹介します。

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止め具の操作が難しい場合
止め具類には工夫をすると操作が容易になります。
  • ウエストをゴムにする
  • ファスナーの取っ手にリング・紐をつける
立位でのズボン引き上げ・下ろしが難しい場合
ベッドに横になり、ブリッジ(お尻を上げる)をしながらズボンを引き上げる方法でもズボンの脱ぎ履きが出来ます。
足を組み難い・組んだマヒ側の足がずり落ちる場合
マヒ側の足がずり落ちないように、よい方の足の踵を持ち上げ、爪先立ちをするとずり落ちにくくなります。


以上で、今回のリハビリテーション講座を終わります。

次回は『~入浴について~』を紹介する予定です。

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(参考・引用文献)

  • 一般社団法人日本作業療法士協会監修:作業療法全書第10巻作業療法技術論2「日常生活活動」,㈱共同医書出版社,2005,p191-192.
  • 土屋弘吉,今田拓,大川嗣雄:日常生活活動(動作)—評価と訓練の実際—,医歯薬出版株式会社,2003,p162-164.
  • 主婦と生活社:大活字版絵で見る介護,㈱主婦と生活社,2000,p42‐43.