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甲状腺のお薬について

甲状腺は、咽頭の下部とそれに続く器官の上部を覆う蝶形の内分泌腺でホルモンを分泌します

甲状腺ホルモンは特定の標的臓器が無く、全身の組織細胞の成長・発育や代謝機能を調節し、成長発育に必要不可欠です。
甲状腺ホルモンが胎生期から2歳くらいの間に欠乏すると、その後ホルモンを投与しても殆ど回復しないと言われています。
甲状腺ホルモンの効果の多くは発熱・心機能の増強・糖分解、脂肪分解の促進・コレステロール低下作用が挙げられます。
従って、甲状腺ホルモンの分泌に偏重を来たすと全身性の疾患(甲状腺機能異常症)が見られます。
このような甲状腺機能異常症は女性に多く見られる疾患と言われています。

今回は、甲状腺機能異常に関する治療薬についてお話します。

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1.甲状腺ホルモンについて

甲状腺ホルモンは、食物、主に海藻類に含まれるヨードを原料にして作られます。しかし、ヨードの量によって甲状腺ホルモンの濃度は調節されています。この調節は視床下部-下垂体-甲状腺系で行なわれています。

甲状腺ホルモンにはヨードが3個結合したトリヨードサイトロニン(T3)と4個結合したサイロキシン(T4)の2種類があります。
T4が末梢組織でT3に変換され、組織に作用します。
このT3、T4が低下すると甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)が分泌され、TRHは下垂体前葉に作用し甲状腺刺激ホルモン(TSH)を放出します。
このTSH産生細胞が血中の甲状腺ホルモン濃度を感知しTSHの分泌を制御しています。
TRHも同様の機構でTSHの分泌を制御しています。この機構をネガティブフィードバックといいます。

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2.甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンの分泌過剰により生じる病態をいいます。日本における甲状腺機能亢進症の殆どがバセドウ病です。バセドウ病は比較的若い女性に好発します。

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3.甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌低下により生じる病態をいいます。甲状腺機能低下症の多くは慢性甲状腺炎(橋本病)によるものが多く、女性に多く見られます。加えて、先天的異常により胎児期から幼少期に機能低下となり知能障害を伴った発育障害をクレチン症といいます。

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4.甲状腺疾患治療薬

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以上のように、甲状腺疾患は様々な全身への症状を招きます。
難病と思われがちですが、治療薬によって甲状腺ホルモンのバランスを一定に保つことで正常な状態に戻すことが出来ます。
しかし、甲状腺の治療薬は、服用次第では症状を悪化させる恐れがあります。
医師の指導の下、正しい用法・用量でご使用ください。
これで今回の「薬剤講座」を終了します。

(参考・引用文献)

  • スキルアップのための 服薬指導サブノート 改訂2版 山田 浩一 南山堂
  • 「いのち-生命」別冊 薬剤師のため甲状腺ホルモン 野中 榮夫 あすか製薬

次回は、痛風・高尿酸血症のお薬について予定しています。