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不整脈

不整脈は循環器系の疾患の中で、その取り扱いが難しいものの1つであり、一口に不整脈といってもいろいろな種類があります。
また、不整脈といっても必ず薬が使われるわけではなく、治療の必要がないものと治療を必要とするものに分けられます。
不整脈の種類もたくさんあるため、それによって使われる薬も違ってきます。
また、それを安全に使うためには薬に対する理解が大切となってきます。

今回は、不整脈の起こる仕組み、不整脈の種類、使われるお薬についてお話します。

1.不整脈の起こる仕組み

心臓のドクンドクンという拍動は自分でも感じることができます。
通常はこの拍動は心筋が一定のリズムで収縮・拡張を繰り返すことにより起こります。
心臓には洞結節と呼ばれる部分があり、そこからの電気的な刺激が発せられています。
この命令は、房室結節、ヒス束、田原結節、プルキンエ線維などの刺激伝道系というルートに伝えられ、最終的に心筋の収縮を引き起こします。

この命令がうまく伝えられなかったり、誤って伝えられたりするとそれが不整脈となります。
簡単に言えば以下のような原因により生じることになります。

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2.不整脈の種類

不整脈といっても細かいものを含めると100種類以上に分けられますが、通常よく耳にするのはそのなかでも10種類程度になります。以下に不整脈の主な原因となる部分と脈の症状とで分類したものを示しました。

この不整脈のタイプによって使用される薬の種類も違ってきます。なので、不整脈は心電図による診断が大事になってきます。

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3.不整脈の治療薬について

不整脈の治療薬はVanghan-Williamsの分類によって第Ⅰ群から第Ⅳ群の4つに分けられています。
薬には、心房性(上室性)の不整脈に有効なもの、心室性の不整脈に有効なもの、両方に有効なものといった特徴があり、不整脈のタイプによって使用される薬が違っています。

(1)第Ⅰ群:Na(ナトリウム)チャネル遮断薬

脈のリズムを整える薬です。Naチャネルを遮断すると細胞の興奮が抑制され、電気の乱れを鎮める働きがあります。
第Ⅰ群は活動電位持続時間によってさらにⅠa群、Ⅰb群、Ⅰc群の3つに分けられます。

Ⅰa群はほとんどすべての上室性・心室性不整脈の第一選択薬として使用されます。
主な副作用としては抗コリン作用による喉の渇き、排尿障害が高い頻度でみられます。
Ⅰb群は心室性不整脈に有効で、とくに心室性期外収縮や心室頻拍に有効です。
Ⅰc群は強力な作用で不整脈をおさえます。反面、新たな不整脈を誘発させたり、心臓の機能を低下させるおそれもあります。
上室性・心室性不整脈に有効で、作用は他のⅠ群のものと比べて強力なため、第一選択薬とはなっていません。

(2)第Ⅱ群:β(ベータ)遮断薬

心臓の興奮を適度におさえ心拍を低下させる作用があります。運動時に増悪するケースによく使われ、洞房結節、房室結節の興奮を抑制します。心不全や気管支喘息の患者には使うことができません。

(3)第Ⅲ群:K(カリウム)チャネル遮断薬

生命の危険がある再発不整脈、他剤が無効な不整脈に限定して使用され、作用は強力です。
薬効の発現が非常に高く、他の薬が効かない重い不整脈にも有効です。
薬効を得るまでは数週間の観察期間が必要で、心電図やエコーによるチェックが必要となります。

(4)第Ⅳ群:Ca(カルシウム)拮抗薬

Caチャネルを遮断することで洞結節の自動能や、房室伝導を抑制する。主に房室結節、洞結節に関与する上室性不整脈に用います。

おおまかにいえばⅠa群の薬はほとんどのケースで第一選択薬として使われ、Ⅰb群・Ⅰc群などは第二選択薬、また、運動時に増悪するケースにはβ遮断薬が使われ、発作性上室性不整脈にはCa拮抗薬が使われることになります。

以下にそれぞれの薬の分類を記します。

不整脈の薬を服用中は、定期的に心電図、エコー、レントゲンなど各種検査を受け、薬の効き具合、副作用の有無をチェックするようにします。
異常を感じたら、早めに受診するようにしましょう。自分だけの判断で、量を減らしたり、急に飲むのをやめるのは大変危険です。
症状が安定すれば、医師の判断で減量したり中止することが可能なこともあります。

以上で、今回の「薬剤講座」は終了します。

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(参考・引用文献)

  • スキルアップのための服薬指導サブノート 改定2版  山田浩一
  • 処方が分かる医療薬理学2002-2003 中原 保裕
  • お薬110番 超図解 薬はなぜ効くか  田中正敏