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血圧について

血圧異常

血圧が正常より高い場合を高血圧とよび、低い場合は低血圧とよびます。血圧には、日内変動があり、1回の血圧測定だけで高血圧、低血圧とはいえません。

血圧とは、血管を流れている血液が、血管壁に及ぼす圧力のことです。動脈・肺動脈・静脈・毛細血管・心臓などでそれぞれの圧力を測定することはできますが、私たちがふつう血圧とよんでいるものは、動脈の血圧だけを意味します。

血圧の種類

血圧には、収縮期血圧・拡張期血圧・平均血圧などがあります。
収縮期血圧は、心臓が収縮している間に測定される最高の血圧値です。
拡張期血圧は、心臓が拡張している間に測定される最低の血圧値です。

血圧の変動の要因

血圧は血管の太さとかたさ、心臓の収縮の強さおよび血管のなかを流れる血液量などによって変化し、とくに血管の性状が量も大きな影響をもちます。

血管が神経やホルモンの影響で収縮すると、心臓の血液送血量が減らないかぎり、血圧は上昇し、動脈硬化や血管壁のむくみなどで血管がかたくなって、血圧は上昇します。たとえば、運動中または運動後には、心拍出量が増すために血管の血液送血量は増加し、血圧は上昇します。

一方、血管は拡張して、拡張期血圧はかえって下降します。すなわち、血圧は血管壁のかたさ、心拍出に必要な左室の収縮期圧およびその血管内の血液量に支配されます。高血圧として問題になるのは、血管壁のかたさであり、一般にみられる高血圧はこの種のものです。また、心拍出量の増加による高血圧の上昇を示しています。

血圧の測定

血圧の測定は、腕や脚に圧迫帯を巻つけて、圧を加えていき、その末梢の動脈の上に聴診器をあてて圧をしだいに下げ、血管音の聞こえはじめるところと消えるところを記録します。

身体部位による違い

通常左右の腕の血圧には多少の差があり、右側が高いことが多い。左右差がありすぎると、低いほうの血圧を示す腕の動脈の血流が、悪くなっていることを示すことがあります。

下肢の血圧は、上肢とほとんど等しいか、またはわずかに高いのがふつうです。
下肢の血圧が極端に低い場合には、下肢の血流障害があることを示しています。
とくに上肢の血圧が高く、下肢の血圧が低い場合には、胸部または腹部大動脈に狭い部分があることを示します。
血圧は、運動・食事・精神的緊張など、いろいろな条件で影響を受けやすい。
血圧測定は、一般には横になって15分以上安静にしてからはかるのが理想です。一般に臥位の血圧は座位の血圧よりも高めです。

1日の変化

  1. 血圧は一定しているものでなく、常に変化するものです。
  2. 血圧は1日のうちで睡眠中が最も低くなります。
  3. 朝目をさまし、活動しはじめると徐々に血圧は上昇します。
  4. 出勤途上、急いだりすると血圧は上昇します。
  5. 仕事のことで他人と口論したり、精神的に興奮したりすると、血圧はそのたびに上昇します。

この様に血圧は1日中いつでも一定しているものではありません。診察室における血圧測定も、ある意味では患者にストレスを与える可能性が強く、そのような場合の血圧は正確とはいえません。したがって、何回か血圧を測定してみる必要があります。

血圧異常の分類

血圧異常には、高血圧症低血圧症があります。
高血圧症は、WHO(世界保健機構、1993年)の基準により、また、低血圧症は、一般に次のように規定されています。

高血圧症:収縮期血圧 140mmHg以上 拡張期血圧 90mmHg以上
低血圧症:収縮期血圧 100mmHg以下
140mmHg以下 拡張期血圧 90mmHg以下

高血圧は1つの所見であって、血圧を高くする原因がある場合、これを二次性(続発性)高血圧とよび、この場合は、原因となるものを主として外科的治療で取り去ると血圧も正常になったりします。

しかし、原因になるものが不明で、血圧だけが高い場合を本態性高血圧または、一次性(原発性)高血圧とよんでいます。

本態性高血圧(症)

原因

高血圧患者の80%は、本態性であるといわれています。心臓、腎臓、脳、そのほかの血管などを調べても、高血圧をおこす原因になるものを見つけられないのが、本態性高血圧症です。

高血圧の患者の尿を調べるとタンパク尿がみられることが多いが、これは腎疾患による高血圧でなく、高血圧が長く続くと、腎臓が冒されてタンパク尿があらわれるためです。

血圧が高くなるのは、細小動脈が収縮するためですが、この細小動脈が収縮する原意はわかっていません。

遺伝・環境因子

本態性高血圧は、遺伝する傾向が強いといわれています。すなわち、両親とも高血圧である場合には、その子供の約1/3が高血圧になることがいわれています。

本態性高血圧患者のなかには、親、兄弟のなかに高血圧患者が非常に多く、約70%の遺伝関係がみとめられています。

本態性高血圧とかかわりが深いものに環境があります。東北地方では、高血圧が多いといわれ、その食事内容を調べてみると食塩の摂取量が多く、食塩と高血圧の関係はよく知られています。

また、高血圧は、ストレスを多く受けやすい環境にいるものに多いともいわれています。

高血圧は、職場や地域の健康診断で血圧を測定して発見されることが多く。一般に頭痛・めまい・肩こり・動悸などが高血圧の症状ですが、兄弟にも高血圧の者がいる場合には、30歳を過ぎたら定期的に血圧測定を受け、予防に心がけることが大切です。

高血圧の影響

高血圧が長年続いていると動脈硬化をおこし、いろいろな症状があらわれます。高血圧の被害を受けやすい臓器には、心臓・脳・腎臓および眼などがあります。なかには、脳卒中をおこしてはじめて、高血圧があることに気づく人もいるので、つねに意識的に予防につとめる必要があります。

診断<本態性高血圧>

高血圧であること(1回だけ測定して、高血圧と診断することはできない)、二次性高血圧でないことを証明することが必要です。

高血圧の人が40歳以上であり、簡単な検査で二次性高血圧を疑う所見がなく、家族的に高血圧の遺伝があれば、いちおう本態性の高血圧を考えてよい。
(若年性高血圧や急に発生した高血圧、降圧薬の効果がない場合には、二次性高血圧が考えられる)

予後

高血圧による心臓・脳・腎臓などの変化の程度によって予後が異なります。高血圧の比較的初期には、心臓・脳・腎臓などへの被害は少なく、予後はよい。

これらの臓器に及ぼす影響の程度は、高血圧が長ければ長いほどその変化は進行します。したがって、この期間に治療する必要があります。

これらの臓器の変化が進行すると、やがて脳卒中(脳梗塞・脳出血)・心筋梗塞・腎不全を伴うことになります。

治療

本態性高血圧は、進行性の病気で、自然に治ることはありません。高血圧の治療は、血圧を下げるだけでなく、心臓・脳・腎臓などの進行をとめるとともに、病変の発生や進行を予防するのも目的です。そのため、生活・食事・薬をしっかり守ることが大切です。

不整脈について

血液の循環がうまく行われるには、心臓が規則正しい収縮と拡張を繰り返すことが必要です。この規則正しいリズムをつくり出しているのが刺激伝導系です。それが何らかの原因で障害されると、リズムは乱れ、全身への酸素供給が十分に行われないことになります。

心筋の刺激が発生しなかったり、その興奮が正しく伝達されない場合に不整脈として現れます。

原因は電解質の異常や、心筋の虚血や壊死による収縮異常や、刺激伝導系自体の障害であったりします。

心電図とは

心臓の興奮に伴って生ずる心筋の活動電位を、波形として記録したものを心電図(electro cardioglam;E C G)といいます。
それを解読することによって、不整脈の診断や心筋の虚血、壊死の判断に利用できます。心臓の大部分を構成している固有心筋線維に興奮が伝わると、その興奮は、固有心筋全体に波及します。
そのため、心房も心室も洞結節の興奮リズムに従って興奮して活動電位を発生します。活動電位はもともと細胞膜の内外にあった電位差(これを膜電位という)が、刺激によって細胞膜の性質が変化するために大幅に変化することによって生じます。
心臓を取り巻いている組織はみな電導性をもっているので、体表に電極を置いて敏感な増幅器を使うと、心臓の活動のたびごとに生じるこの電気的な変化を記録することができます。

特徴的な心電図波形
  • 洞結節の刺激生成異常
  • 上室性不整脈
    1. 心房期外収縮
    2. 房室接合部期外収縮
    3. 発作性心房頻拍
    4. 発作性房室接合部頻拍
    5. 心房細動
    6. 心房粗動
  • 心室性不整脈
    1. 心室期外収縮
    2. 心室頻拍
    3. 心室細動・心室粗動
  • 興奮伝導異常
    1. 洞房ブロック
    2. 房室ブロック
      1. 1度房室ブロック
      2. 2度房室ブロック
        1. モビッツ I 型
        2. モビッツ II 型

不整脈とは

脈拍のリズムが不規則になっている状態を不整脈といいます。

呼吸性不整脈

若年者や自律神経障害のある人は、吸気時に胸腔内が陰圧になることによって、静脈環流が増加し、脈が早くなり、逆に呼気時には脈が遅くなることがあります。

期外収縮

心臓の自動性は洞結節から起こり、その刺激が刺激伝導系を伝わって、心臓の収縮を起こすのが普通です。しかし、時に心筋の別の(異所性)ところから自動性が起こり、予定されている前に心筋の収縮が起こることがあります。これを期外収縮といいます。
期外収縮には上室性と心室性があります。興奮が心室で起これば心室性期外収縮であり、心室より上部であれば上室性期外収縮といいます。これは、心電図の測定によって区別がつきます。

絶対性不整脈(心房細動)

洞結節の機能が働かず、心房が不規則に興奮することを言います。この興奮のなかから房室結節に伝わった興奮が、それ以下の刺激伝導系を伝わって心室の収縮を起こそうとします。しかし、心房の興奮は不規則なので房室結節に伝わる刺激も不規則となり、心室の収縮のリズムはバラバラになってしまいます。このとき、心音の聴診と脈拍の触診を同時に行うと、その数に差が生じています。聴診で120回/分でも触診で40回/分であれば、心室が十分に収縮できていないことが考えられ、拍出される血液の量も十分ではありません。

冠動脈以外の動脈の異常

解離性大動脈

大動脈の血管壁(内膜、中膜、外膜)の中膜の壊死などが起こり、内膜に裂目ができると、そこから大動脈の血液が流れ込み、その裂目(解離)を拡大してしまいます。この流れは正しい流れではないので、身体の各部位に酸素が届きません。

そこでその血管が支配している器官の症状があらわれてきます。また、強烈な胸痛があるので、苦痛は大きいものがあります。さらに、解離した血管は薄いために破裂しやすく、大動脈の破裂は突然の死を招きます。

抹消の神経の異常

動脈閉塞性疾患

動脈の閉塞の程度により、歩行時の疲労(間欠性跛行)、安静時疼痛や壊疸を生じます。
バージャー病(閉塞性血栓血管炎)閉塞性動脈硬化症とがあります。

動脈痙攣性疾患

指や趾先の細動脈の攣縮によってチアノーゼや痺れ・痛みなどを生じます。これはレイノー現象と呼ばれています。


以上で、循環器系についての説明を終わります。お付き合いいただき、ありがとうございました
専門用語が多くて、大変読みづらく、また、われわれの力不足もあり、十分な説明とはいえません。
次ぎの機会には、もっと分かり易くしたいと思っております。

引用・参考文献
  • 黒田裕子・木幡光子・福井幸子:臨床看護学セミナー4 循環機能障害をもつ人の看護メヂカルフレンド社 1998
  • 岩井郁子著:系統看護学講座専門7 成人看護学3 医学書院 1998

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  • 社団法人八日会 藤元早鈴病院 医療相談室
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