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脳卒中について

前回は、脳血管疾患にとって切り離せない、高血圧と動脈硬化についてお話ししましたが、今回、いよいよ脳血管疾患の代表とされる「脳卒中」について、学習していきましょう。

脳卒中って何?

脳卒中とは、脳血管障害の一般的な呼び方で、昔は重症の脳卒中といえば、まず脳内出血を考え、症状が軽ければ脳梗塞を疑う傾向があったようです。しかし、現在では、CTスキャンの出現以降、軽症の脳内出血もあれば、重症の脳梗塞もあることが明らかになりました。

それまでの日本では、脳内出血の方の頻度が高いと考えられていましたが、実際は、脳梗塞が高いことがわかりました。

また、CTスキャンの詳細な検討から、発作直後でも十分注意すれば、再出血などもきたすことがなく、比較的安全に搬送することが可能であることがわかりました。そのため脳血管障害で倒れた場合、早い時期に正確な診断や治療ができる施設へ搬送されるようになって、この病気群の死亡率は一段と減少しました。

しかし、依然として脳血管障害の発生頻度は高く、その死亡率も癌、心臓病に次いで第3位を占めています。

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脳血管障害の分類

脳血管障害といってもいろいろ種類がありますが、一般的には出血性のものと、閉鎖性のものとに分けられています。さらに、出血性のものとして、高血圧性脳内出血クモ膜下出血に、閉鎖性のものとして脳梗塞一過性虚血性疾患とに分けられています。

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脳血管障害に共通した特徴

  1. 成人、都国高齢者に多い
  2. 高血圧、糖尿病などの成人病にかかっていることが多い
  3. 症状が突然にあらわれ、しかも急速に進行することが多い
  4. 後遺症がでることが多い

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脳血管障害の前ぶれ

  1. 言葉を思うように話せない、ろれつが廻らない
  2. 手足がしびれる、物を落とす、歩くと足がもつれる
  3. 頭痛や吐き気がする
  4. 意識がもうろうとする
  5. 急に目がみえなくなる

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それでは、これから高血圧性脳内出血と脳梗塞についてお話ししましょう。

高血圧性脳内出血って どんな病気?

原因やメカニズムは明らかでない点も多いのですが、高血圧により脳内の細動脈(血漿性動脈)が破壊され、極小のこぶ(微小動脈瘤)がつくられる。そのこぶがやぶれるといった過程が引き金となり、これに何らかの機転が加わり、血の塊(血腫)がつくられるといわれています。また、分類として高血圧性脳内出血は、脳血管障害の約20%を占めますが、血の塊(血腫)の場所により被殻出血・皮膚下出血・橋出血・小脳出血に分けられます。
これらのうち最も多いのが被殻出血で、全体の半数近くを占めています。

治療としては、一般に視床出血・橋出血には、注射や薬による保存的な治療が行われ、被殻出血・小脳出血・皮質下出血に対しては、手術による外科的な治療が考慮されています。また、高血圧性脳内出血が起こると、その直後からきわめて重篤な高血圧が生じます。

発作は、仕事中の活動時や寒い夜間、早朝時のトイレなどで起こりやすいと言われています。

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脳梗塞って どんな病気?

昔は、「日本人には脳溢血(脳出血)が多くて、欧米人には脳梗塞が多い。それは、日本人は塩分の多い食物を食べ過ぎ、欧米人は動物性脂肪の多い食べ物を摂りすぎるのだろう」と言われたものでした。ところが最近では、日本人の脳血管障害の発生頻度を種類別に見ますと、出血よりも閉塞性の脳血管障害の方が完全に上回っていて、現在でもその割合は7:3と欧米の頻度に近づきつつあることが分かりました。

では、その閉塞性の脳血管障害のひとつである脳梗塞は、どんな病気であるかをお話ししますと、脳の血管が詰まり、その先の血液の流れが途絶することによって、その血管から栄養をとりこんでいる部分の脳が壊されて死んでしまいます。そのため、その脳の神経が支配していた機能に障害が起こることになります。その起こり方から、脳血栓脳梗塞に分かれることになります。

脳血栓は、脳の動脈の壁にコレステロールなどがくっついて生じるアテローム硬化をもとに、その表面に血小板・赤血球・白血球などの血液成分がくっつき塊をつくります。これを血栓といいますが、この血栓によって血管が詰まり起こる病気です。

また脳梗塞は、心臓や脳に栄養を運ぶための動脈などの内側の壁に生じた凝血がはがれて血栓となり、これが血液の流れによって脳に達し、脳の血管を詰まらせて起こる病気です。発作は、夜間の睡眠中に起こることが多いようです。

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もし、周りの人が脳血管障害で倒れたら?

  1. トイレなど狭いところで発見したら、頭を動かさないようにして、広いところに移動させましょう
  2. 意識があるか確認しましょう。ここで、決して頭や身体を揺さぶらないようにしましょう
  3. 救急車にすぐ連絡しましょう
  4. 吐いている場合は、頭を静かに横向きにして、吐いた物を詰まらせないようにしましょう。また、口の中や周りを軽く拭いてあげるといいですね
  5. いびきをかいたり、呼吸が苦しそうな場合は、口の中に吐いた物が残っていないかどうか確認して、気道を確保するために、バスタオルをロール状に巻き、肩の下に入れましょう

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脳血管障害を防ぐための日常生活のポイント

  1. 室温と外気温との温度差を5℃以内とし、急な寒さや暑さに気をつけましょう。
    • 冬の外出時は、マスクやマフラー、手袋などにより保温につとめましょう。
    • 居間・浴室・トイレなどの温度差が少ないように、室温の調整や衣類での調整につとめましょう。
  2. 浴時のお湯はあまり熱くなく、温めの風呂に10分ぐらい浸かりましょう。浴室は、寒くないように暖めておくといいでしょう。
  3. 便秘によるいきみは、血圧をあげる原因にもなるので、普段からスムースな便通を心がけましょう。
  4. 私たちの身体は、加齢とともに動脈硬化が進んでいきます。煙草を吸うことにより、血管は収縮し一時的に血圧があがるばかりでなく、血液の流れを悪くします。また、血液がかたまりやすくなり、動脈硬化を悪化させる原因となります。ですから、今現在、吸っているあなた! 煙草をやめてみたらいかがでしょうか?
  5. 一日の飲酒量は、日本酒なら一合180cc、ウイスキー水割りならシングル一杯程度が最適です。週に2、3日は休肝日としましょう。
  6. 毎日の家事や育児、もちろん仕事は身体も心も疲労します。特に、精神的ストレスはよくありません。毎日規則正しい生活を送り、休養を十分とり、一日の疲れを次ぎの被に残さないようにしましょう。
  7. 太りすぎは、心臓にも負担をかけ、全身の動脈硬化を進めることにもなります。適度な運動と食事により肥満防止につとめましょう。
  8. 塩分は、血圧をあげる原因となりますが、現在の日本人一人あたりの必要摂取量は10~15gと多めです。できれば、一日の摂取量を10g以下に抑えることが大切です。例えば、インスタントラーメンを汁まで全部飲んでしまうと、それだけで一日の摂取量になってしまいますので、注意しましょう。

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以上で、おおむねの説明を終わります。お付き合いいただき、ありがとうございました。


引用・参考文献
  • 馬場元毅 JJ Book S 絵で見る脳と神経 第1版1刷 医学書院 1991年
  • 宮崎和子 脳神経外科 中央法規 改訂版 1996年

詳しいことは下記の病院にお問い合わせ下さい。

社団法人八日会 藤元早鈴病院 医療相談室
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