トップページ > 家庭の医学シリーズ > がん疾患 > 乳房・子宮癌について
乳房・子宮癌について
はじめに
子宮は妊娠時に胎児を納め、乳房は、分娩後に乳児に栄養を補給する女性特有の臓器・組織です。当然のことながら乳癌や子宮癌は、女性だけにみられますが、乳癌は男性にもまれにあります。
子宮癌は、女性生殖器の悪性腫瘍のうちで最も頻度が高く、また、死亡数も多いことからきわめて重要な疾患の一つです。乳癌は、近年増加傾向にあり、リンパ行性、血行性を通して全身に転移しやすく転移好発臓器は、肺、肝臓、骨などであり、また反対側の乳腺や胸腺にも転移することがあります。
では、発生に伴う症状、治療法とその影響、危険因子について学んでいきましょう。
乳癌の症状は?
- がんとは
乳癌は、乳腺組織に生ずる癌です。ある日、偶然に乳房に重圧感をもってしこりを発見します。この中には、早期癌が多く含まれていることが多いので重要な症状です。また、血性の乳頭分泌物によって発見されることもあります。乳癌の90%は腫瘤を触れ、軟骨様の硬さをもち、癌細胞の辺縁は不規則です。腫瘤が進行すると、えくぼ症状や表面がおうとつ(凹凸不整)を呈し、さらに進行すると潰瘍形成、発赤、浮腫を伴い痛みを生ずるようになります。
子宮癌の症状は?
子宮癌は、その発生部位によって子宮頚癌、子宮体癌に分けられます。子宮頚癌は、ごく初期においては、ほとんどが無症状であり、癌の成長に伴って、性交時の出血(接触出血)と帯下(女性の性器からの分泌物)が初発症状としてあらわれます。
さらに進行すると、性交時以外にも出血(不正子宮出血)するようになり、帯下はしだいに膿・血性となって増量し、癌組織の壊死と腐敗菌の感染のため悪臭を放つようになります。癌が骨盤空内に進展すると、腰痛を訴えるようになります。
また、尿管が圧迫され、尿の流出が障害されるために、水腎症になり末期には尿毒症を併発します。
一方、子宮体癌は、子宮内膜から発生する癌であり、初期は微量で断続的な不正出血と帯下がみられます。進行すると子宮体部が増大し、水様性、血性帯下が増加します。子宮体癌の発育、転移は比較的遅く、治療後の予後は良好です。
治療とその影響は?
乳癌、あるいは子宮癌に対する治療法としては、ほかの癌と同様に外科的療法、放射線療法、化学療法があります。乳房の形態に価値をおいていたい女性の場合は、癌の発生や手術によって抑うつ状態や感情障害に陥ったり、性交を拒否しパートナーとの関係が崩れるといった事態になることがあります。
外科的療法が選択された場合、本人には術後のボディイメージの変化を余儀なくされるだけでなく、切除範囲によってさまざまな機能的変化がもたらされます。また、子宮癌では妊娠能力および月経機能の喪失を余儀なくされ、そのことで本人やパートナーのなかには、女性でなくなったかのようにとらえる人もおり、パートナーとの関係が問題となります。
次に、少し難しくなりますが、外科的療法および化学療法、放射線療法について学習しましょう。
乳癌に対する外科的(手術)療法
- 定型的乳房切除術(ハルステッド法)大・小胸筋の切除と腋窩のリンパ節を切除する
- 大胸筋を温存する方法(パティー法)
- 非定型的乳房切除術(オースチンクロス法)腋窩のリンパ節は切除しても胸筋は温存する
- 乳房温存療法乳房部分切除と腋窩リンパ節の切除する
以上のように、手術の方式は乳房の大きさ、しこりの位置やその大きさを考慮して決定されます。
子宮癌に対する外科的(手術)療法
- 単純子宮全摘出術子宮頚部を含め子宮全体を摘出する
- 準広凡性子宮全摘出術単純子宮全摘出術と広凡性子宮全摘出術の中間的な手術
- 広凡性子宮全摘出術子宮頚癌に対する基本的手術
- 超広凡性子宮全摘出術・骨盤除臓術前者は広凡性子宮全摘出術よりも基靭帯をより広く摘出、後者は膀胱や直腸にがん浸潤がある場合
子宮癌に対する手術は、その進行時期に応じた手術方法があります。
乳癌、子宮癌に対する化学・ホルモン療法
一般には、手術療法後に補助化学療法として抗癌剤が使用されます。
乳癌に対しては、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗生物質、有系分裂阻害の4種類の薬剤が使われています。乳癌に対する化学療法は、特に手術のできない転移や再発癌に対して有効です。
抗癌剤は単独使用よりもさまざまな組み合わせて使用するほうがいっそう効果が得られ、投与方法には点滴静脈・経口・筋肉注射法があります(副作用については前回学習している為省略します)。
ホルモン療法は、おもに再発、あるいは転移した乳癌あるいは、手術後の補助療法として有効です。ホルモン剤は、2~3年継続的に投与されるので月経が止まることもあります。
乳癌、子宮癌に対する放射線療法
乳癌に対する放射線療法は、現在、乳房温存療法の補助療法として行われます。
この場合の放射線の成績は良好で、腔内照射ができることから手術療法に近い成績が得られます。
子宮癌の中でも、子宮体癌は放射線に対する感受性が低いことからあまり行われません。
乳癌、子宮癌の危険因子
子宮頚癌の好発年齢は、40歳代が最も多く、ついで50歳代、30歳代です。また、経産婦に多いようです。
子宮体癌は子宮頚癌にくらべ、一般に高齢者に閉経後におこることが多く、また、子宮体癌の発生率を高くする要因として未婚、不妊初婚、初妊年齢が高いこと、妊娠回数や出生児数が少ないこと、食事や体質との関係も考えられております。
乳癌の好発年齢は40~50歳代が多い。60~70歳代、および30歳代がこれについでいます。男女比は、女性100に対し男性1です。遺伝の影響がみとめられ、未産婦、寡産婦(子供が少ない婦)、母乳授乳制限者、初経の早い女性、初婚年齢、初妊娠年齢の遅い者などの罹患率が高くなっています。
詳しいことは下記の病院にお問い合わせ下さい。専門医が判りやすく回答申し上げます。

社団法人八日会 藤元早鈴病院 医療相談室
〒885-0055 宮崎県都城市早鈴町17-1
電話:0986-25-1313 FAX :0986-25-3950