トップページ  > 家庭の医学シリーズ  > がん疾患 > 癌疾患について

はじめに

がんは、細胞の異常な増殖で発生する病気ですが、その性質や進行の程度によって障害の広がりや対応が非常に広範囲にわたるという特徴をもっています。一般の認識としては、がんという言葉に慣れてしまったり、ウィルス性の新しい病気が注目され始めたことなどから、DNA(遺伝情報)の変化による細胞の変質がその原因という理由づけでなんとなくわかったような気持ちになってしまい、いずれその原因は解明されるのではないかと漠然と考えているのではないでしょうか。
近年になって、遺伝子の働きとその作用機序については、非常に多くの知見が得られるようになりました。
しかし、がん発生のメカニズム(機構)の全貌が明らかになったわけではなく、数多くの研究がなされていても、未だに解明に至っているわけではありません。一筋縄ではいかない複雑な側面があるため、原因とその結果という単純な図式で説明することを困難にしているようです。

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がんの発生と対策

がんとは

がんには、上皮性の悪性腫瘍と、非上皮性のものがあります。腫瘍とは正常の細胞よりも過剰に発育する細胞の群のことで、生体には元来存在しないものです。
がんの特徴に浸潤(次第に侵される範囲が広がること)、転移があります。浸潤とはがん細胞が正常組織を破壊しながら病巣を拡大していくことであり、転移とは、がん細胞が血液やリンパ系を介して、あるいは手術の際に、原発巣から離れた他の部位に運ばれて、そこに新しい増殖巣をつくることです。

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がん発生の危険因子とがん予防

がん発生の危険因子は内部要因と外部要因(環境)要因にわけられます。内部要因 は、性・年齢・遺伝的素因・免疫やホルモン分泌異常などがあげられます。外部要因には、食事・喫煙・飲酒・大気汚染などの他、化学物質・放射線・ウィルス感染などがあげられます。がん全体からみると外部要因による発生の方が大きいと考えられます。
特にがんの危険因子としては、食べ物(食習慣)や喫煙といった日常生活に関連した物質が目立つようです。

ここで日常生活に関連した事柄について学習してみましょう。

食事

現在までのところ、人間を対象とした研究で食べ物が直接がんの引き金になったということは検証されていません。食べ物とがん発生との関係は疑われてはいますが断定できるものではないからです。しかし、疫学調査の結果から、栄養の過剰や脂肪の多い欧米型の食生活は大腸がん、乳がん、子宮体がんなどと関係があり、栄養分が豊富ではなく塩分過多のアジア・アフリカ型(従来の日本人の食生活パターン)の食生活は胃がんや肝臓がん、子宮頸がんなどの発生と関係のあることが示されています。

戦後、日本人の食生活は穀類中心の食事からタンパク質や脂肪の多い欧米式食事に変わってきています。それに伴い大腸がん、肺がん、乳がん、子宮体がんなどが増加し、逆に胃がんや子宮頸がんが順位のうえで低下しています。

がんの予防の見地から日常の食生活において留意すべきことは、特定の食品ばかりを繰り返して食べるなどの偏りを避け、脂肪を控えめにしてビタミンを十分に含んだバランスのよい食事をとることです。食べ過ぎにも注意しましょう。あまり神経質になる必要はありませんが、焦げた部分を大量に食べることも控えた方がいいでしょう。
学生やサラリーマンの中には、朝食抜き、昼はそばか脂肪分の多い外食、夕食はアルコールですますといった非常に偏った食生活パターンを長期にわたって続けている人も少なくありません。これでは摂取している食品の種類や調理方法が決まったものになってしまいます。
さらに清涼飲料水やスナック菓子、ファーストフードの登場で、特に子供や10~20歳代の若者が糖分の多い食品や塩味で、かつ、調理した軟らかい食感の食品を食べる傾向が強くみられています。
がんとの関係に限らず、壮年期や老年期を健康に過ごすためにも若い世代における食生活への配慮が求められています。

喫煙

タバコの中に含まれているベンツピレンという物質やニコチンに発がん性があることがわかっています。このベンツピレンは、喫煙者自身が吸う煙(主流煙)よりも火のついたタバコの先から出る煙(副流煙)の方が数十倍も多くふくまれています。喫煙と肺がん以外のさまざまながん発生にも関係しており、禁煙をすすめるのはがんの予防上とても大切です。

放射線

放射線と発がん作用の関係は、広島、長崎への原子爆弾投下後の人体への影響の追跡調査などからも明らかにされてきています。私たちは日常の生活の中で、宇宙からの自然爆弾やX線検査の際などに被ばくをしていますが、こうした少量の被ばくが人体にどのような影響を及ぼすかは、現在のところ明らかにはなっていません。

ウィルス

一部のウィルスが人のがん発生に結びつくことがわかています。EBウィルス(エピスタイン- バーウィルス)は、人間のBリンパ球(細菌を殺す白血球の一つ)を腫瘍(体に生じる異常な増食物)化(バーキットリンパ腫)、また、C型肝炎ウィルスやヒトパピローマウィルスの感染との関係が明らかになってきています。これらのウィルスに感染した人が全てにがんが発生するのではなく、その中の一部の人にがんがみられるにすぎません。

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引用・参考文献
  • がん患者の看護

詳しいことは下記の病院にお問い合わせ下さい。

社団法人八日会 藤元早鈴病院 医療相談室
〒885-0055 宮崎県都城市早鈴町17-1
電話:0986-25-1313 FAX :0986-25-3950