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サイバーナイフII (Cyber Knife II)

当院では、2004年11月よりサイバーナイフによる治療を開始いたしました。

当院では、2001年10月からサーバーナイフの治療を行っていましたが、2004年11月より、 サイバーナイフⅡによる治療を再開いたしました。

どんな治療?

身体の動きをキャッチして照射位置を自動調整

サイバーナイフは、ガンマナイフと同じく、がんなどの病巣に向けて多方向から放射線を集中照射して治療を行う定位放射線治療装置です。
ガンマナイフと異なるのは、放射線としてエックス線を使っていること、その照射をロボットが行うことです。

放射線を出す装置は工業用のアームに取り付けられていて、患者さまが多少動いてもロボットがその位置をキャッチし、病巣部に正確に放射線を当てます。

そのため、ガンマナイフのようにがっちりと身体を固定しなくても治療が可能ですし、治療できる範囲も、ガンマナイフのように頭だけでなく首の部分まで広がりました。この位置追跡技術は、巡航ミサイルの追尾システムとしても用いられています。

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サイバーナイフの特徴

身体を厳重に固定しなくても大丈夫

従来の定位放射線照射では、患者さまの体の動きによる、誤った位置への照射を防ぐため、フレームと呼ばれる金属製の枠を頭蓋骨に取り付け、頭を固定する必要があり、治療範囲に限界がありました。

この欠点を改良し、フレームをつけることなく、さらに頭蓋骨外部の病気にも対応できる定位的放射線照射装置をめざして、サイバーナイフの開発が始まりました。

サイバーナイフが、従来の放射線治療装置と比較して、大きく進歩したところとして、以下の2点があげられます。

  1. 装置の眼に相当する、カメラを装備し、体の動きを検出し、正しい位置に照射できること
  2. コンピュータ制御の工業用ロボットとリニアック装置を組み合わせることで、任意の位置からの照射ができること

X線CT、MRIなどから得られる患部の三次元情報を使用し、”精密な照準と照射”を、ロボットを使用して行うことができます。

1cm以内の動きであれば、コンピューターが瞬時にターゲットの位置の動きを把握し、ロボットが、正確に位置ずれを修正して、正しい部位に照射することができます。

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サイバーナイフの仕組み

少量の弱い放射線を多方向から病巣に当ててエネルギーを集中させ、がんなどを焼くという原理はガンマナイフと同じです。
そのため、正常な組織に当たる放射線量はわずかで、その影響は少なくてすみます。

ただし、ガンマナイフのように、一度放射線を集中照射するのではなく、病巣の場所から最も適した照射位置を104か所の中から割り出してそれらを記憶し、さらに身体が動けばそれに対応して修正を加えつつ、それらの位置から順番に放射線を当てていきます

このような高度な機能を持ったサイバーナイフは、まさに人間と同じように、目・腕・頭脳を併せ持っているといえます。
医師にたとえると、透視カメラが目で人の微妙な体動をとらえ、それに合わせて照射位置などを再計算する治療計画システムが頭脳、それに従って動くアームが腕、そして放射線がメスというわけです。

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治療効果が期待される病気

現在は、頭蓋内および頭頚部領域の良性・悪性腫瘍を対象としています。

頭蓋内 原発性脳腫瘍、転移性脳腫瘍、良性腫瘍(聴神経鞘腫、下垂体腺腫、髄膜腫など)、脳動静脈奇形
頭頚部領域 頭頚部腫瘍(口腔内も含む。中位頸椎まで治療可能)、神経鞘腫、動静脈奇形

嚥下や呼吸に伴う移動が生じる可能性のある部位(喉頭病変、および舌、下咽頭病変の一部)では、サーバーナイフによる照射が出来ない場合もあります。患者さまごとに適応の有無を検討します。

病変に対して、周囲の正常組織にできるだけ障害を与えることなく、さらに高い線量を投与することを目的とした治療ですので、一般には、病変が小さく、数も少ない場合が対象となります。

ただし、上記以外の場合でも、5-8回の分割照射を行ったり、通常の放射線治療や抗癌剤治療と組み合わせることにより、サイバーナイフ治療が可能になることもあります。患者さまの、病状、病態に応じて、最適な治療計画を検討します。

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治療の流れ・治療期間

治療の流れ

  1. 他院からのご紹介患者さまは、原則として紹介状・フィルムをご持参いただきサイバーナイフの治療適応性を検討いたします。治療適応と断定されますと、治療のために入院日を決定いたします。
  2. まず準備として、治療計画のために造影剤を使用したX線CTを撮影します。この時は、治療時と同様に頭部を固定しますが、固定には患者さまの顔の形に合わせた、メッシュ状の簡単な固定具(シェル)を用います。
    侵襲的な固定ではありませんので、造影CTが終われば、固定具を外し、その日の作業は終了です。疾患によってはMRIの検査を行なうこともあります。
  3. 撮影したX線CT、MRI画像をもとに、治療を正確に行うための準備に約一週間ほど要します。治療開始日に改めて来院して頂き入院となります。
  4. 治療当日も、サイバーナイフ治療台に仰臥し、X線CT撮影を行なったときと同様に、簡単な固定具により、頭部を固定します。位置合わせが終了したのち照射を開始いたします。
    照射時間は、おおむね1時間程度です。照射中は治療室外からモニター監視をしております。
    また、治療中はリラックスしていただくために、お好みの音楽をかけることも可能です。
治療期間

多くの場合、1回照射(1日)または3~5回照射(3~5日間)です。場合により、8回程度の照射を計画することもあります。
通常3日から1週間の入院で治療できますが、通院での治療も可能です。

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当院での治療実績

2008年8月現在
病名
神経膠腫 115 14.1
転移性脳腫瘍 165 20.3
良性腫瘍 119 14.6
その他 58 7.1
口唇及び口腔 49 6.0
上咽頭 33 4.1
中咽頭 25 3.1
副鼻腔 63 7.7
頸部・副咽頭リンパ節 108 13.3
頭蓋底 46 5.7
その他 32 3.9
合計 813 100



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当院の特殊性

すでに始まっています 21世紀の治療

当院では1997年からガンマナイフでの治療を行っており、2004年8月末で約2,000例の脳疾患や頭頚部疾患に対して定位放射線治療を行い、良好な治療結果が得られています。ガンマナイフは非常に優れた機械ではありますが、正確な位置的精度をもって治療を行う為にフレームを装着する必要があり、治療範囲に限界があります。

ガンマナイフで得られた定位放射線治療の経験を基にして、疾患、病態に応じて治療機器の選択を行い、ガンマナイフ、サイバーナイフ、リニアックの特性を考慮した最適な放射線治療プランを作成することが可能となりました。

サイバーナイフの歴史

サイバーナイフは1992年に現米国スタンフォード大学脳神経外科教授の Dr.John Adler により開発が開始されました。Dr Adler は以前スウエーデンのカロリンスカでガンマナイフの研究に携わっていました。ガンマナイフは従来の常識を破る画期的な放射線治療機械でした。

彼は、その機械の利点、欠点を知り尽くし、より優れた放射線治療器はないかと模索していました。1992年シリコンバレーに Accuray社を創設し、サイバーナイフを完成させました。米国食品安全局(FDA)の認可を取得、1994年よりスタンフォード大学で治療を開始しました。

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