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エックス線CTってなに?

エックス線CT(Computed Tomography)は、身体を輪切りにした断面の画像を撮る検査装置です。
健康診断などで「レントゲン撮影」といわれる一般的なエックス線検査を受けた方は多いと思いますが、それを進化させたのがエックス線CTです。

これらの検査は、エックス線が物質を通り抜ける性質を利用したものです。
エックス線を照射すると、身体を通り抜ける際、内臓や骨など遮るものによって透過する量が変わるので、フィルム上に焼き付けるとその差が濃淡として現れ、内蔵などを浮かび上がらせるのです。
しかし、一般的なエックス線検査では、身体の立体的な構造に対して平面状の画像しか得られません。

そこで、身体の四方からエックス線を照射し、透過したエックス線の濃度変化のデータをコンピュータで再構成して断面図として画像化するのがエックス線CTです。
この検査では、身体を数ミリ単位で輪切りにした断面の画像を撮ることができます。
そのため患部だけでなく、その周囲にある臓器の位置や状態を見ることが可能で、小さな病巣も発見しやすいというメリットがあります。


▲エックス線CTは人体の輪切り画像を撮影▲

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どんな検査?

身体の四方から撮影し、コンピュータで画像を構成

エックス線CTは、撮影機器と画像処理を行うコンピュータ部分に分けられます。
撮影機器にはエックス線管球や検出器がついていて、これらが身体の周りを回転しながら撮影を行います。同じCTでも、機種によって画像の精密さは異なります。

通常、検査中はベッドに仰向けになっているだけで、痛みを感じることやMRIのような騒音はありません。

エックス線CTの仕組み

左の図は、頭部CT検査中の様子を簡単に示したものです。
ガントリー(エックス線放射部分)の内側にあるエックス線管球からエックス線が放射され、人体頭部を透過して反対側にある検出器に達します。
検出器はエックス線の透過量をキャッチし、そのデータがコンピュータ上で再構成され、画像に置き換えられる仕組みです。

エックス線管球と検出器は、ベッド上の人の頭部を中心として360度回転しながら撮影をします。
1回転することで、1スライスの頭部断層像ができます。
実際の頭部のCT検査では、目の部分から頭頂部分までの数スライスを撮影します。
現在、1スライスの撮影は1~2秒で、画像の再構成は5秒かからない程度まで進歩しました。
ほほリアルタイムで、身体の内部の様子を見ることができるわけです。

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エックス線CT検査でわかる病気

エックス線CTでは、身体を輪切りにした断面画像が得られるので、病変部位だけでなく、身体の内部の状態、周囲の臓器の形状といった多くの情報が判ります。
また、身体のどの部位でも撮影できるため、全身を検査するのに適しています。

特に、頭部の急性期の出血や血腫、骨の病変、動脈硬化などで見られるように、カルシウムがたまって石化(石灰化)した血管を発見したり、肺、腹部の腫瘍性病変や、臓器などの中にある空気の検出に効果を発揮します。
また、一般のエックス線検査では読み取りにくい心臓のくぼみや内臓の位置なども、明確に画像化できます。
さらに、造影剤を使用することで、より正確な診断も可能になります。

エックス線CT検査でわかる病気
頭部
頭部外傷 : 硬膜外血腫・硬膜下血腫・脳挫傷・びまん性軸策損傷 など
脳血管性障害 : くも膜下出血・脳内出血・脳梗塞 など
頭部疾患 : 脳腫瘍・血管腫・脳溢血管奇形・巨大脳動脈瘤・動脈血栓症・即頭骨やその近辺の疾患 など
頭~首
耳・聴神経 : 聴神経腫瘍などの腫瘍性疾患・真珠腫・先天奇形・内耳の疾患 など
: 眼球や眼窩内の疾患 など
: 鼻・副鼻腔の疾患 など
口・のど : 咽頭・喉頭・口腔などの疾患・唾液腺の腫瘍 など
その他 : 頚部の疾患
胸部
循環器系 : 大動脈瘤・大動脈剥離 など
呼吸器系 : 肺がん・縦隔腫瘍・胸膜病変・結核腫などの病変 など
その他 : 食道がん など
腹部
胆のう・肝臓 : 肝がんなどの肝疾患・胆のうがん・胆のう結石・総胆管結石 など
膵臓 : 膵がん・のう胞性腫瘍・ラ氏島腫瘍・膵炎 など
腎臓 : 腎のう胞・腎がん・腎血管筋脂肪腫・腎盂がん など
その他 : 腹部大動脈瘤・臓器の大きさや形態の異常 など

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エックス線CTの特徴

検査にかかる時間は短く、撮影範囲が広い

部位にもよりますが、エックス線CTは撮影時間が10~30分と短いため、検査に伴う負担が少ないのが特徴です。
さらに、医師や放射線技師の立場からすると、装置のガントリー部分の穴が大きいので、検査を受けている人の様子を観察しやすいという利点があります。
画像については、撮影可能な範囲が広いほか、エックス線の透過度の差があまりないために、一般のエックス線検査では周りの臓器や組織と見分けがつきにくい部分についても、はっきりと画像化することができます。

また、MRI(核磁気共鳴撮像法)のように磁石を使わないため、ペースメーカーやボルトなど金属を体内に埋め込んでいる人でも検査を行えます。
そのため、モニタなど様々な機器が装着される緊急患者や重症患者にも、エックス線CTがまず最初に行われます。

CT画像を見てみよう

頭部のエックス線CTでは、通常真ん中のライン(点線)で左右対称に抽出され、脳実質は灰色で表示されます。
中央付近の黒い部分(正常例・矢印)は脳室と呼ばれるもので、脳脊髄液が溜まっています。

脳内出血のエックス線CT画像では、脳内に白い部分(矢印)が見られます。これが脳内出血です。
向かって左の脳室はつぶれており、真ん中のラインも右側に押しつぶされています。

画像のコントラストをはっきりさせる造影剤

CTやレントゲン検査などエックス線を使った検査では、造影剤を用いる場合があります。
エックス線が透過するする量は、内臓や骨など間を遮る物質によって異なります。
しかし、なかには周囲の臓器や組織と透過量の差がほとんどないために、画像上、目的の病変部位の様子がはっきり写りにくい場合もあります。
そんなときに使うのが造影剤です。
造影剤は、撮影したい部位のエックス線の透過量を変えるため、画像のコントラストをはっきりさせるために使います。

左のエックス線CT画像で、向かって左側に黒いところ(矢印)があり、「何かあるな」と判断はつきますが明確な診断はできません。
造影剤を使用すると、黒い中に白く造影される部分(矢印)があり、腫瘍が存在していることが明瞭となります。

実際に治療を受けるとき

治療に注意が必要な人

次のような人がエックス線CTを受ける場合は、時に注意が必要です。

妊娠中、または妊娠の可能性のある方
妊娠中の女性や妊娠の可能性のある女性の場合、撮影する場所によっては胎児に影響を与える可能性もあり、検査を避けることもあります。
妊娠している方は、必ず事前に医師、放射線技師、看護師などにお伝えください
生殖に関係する子宮や卵巣などの婦人科疾患でも、一般的には放射線を使用するエックス線CTよりも、超音波MRI検査の方が優先される場合もあります。
造影剤アレルギーや重篤な甲状腺機能障害のある方
造影剤を使う検査は、薬剤に含まれるヨードにアレルギーのある方には行えません。
重篤な甲状腺機能障害や腎機能障害のある方にも使用できない場合があります。
撮影する部位に金属製品などをつけている方
撮影する部位に金属などがあると、エックス線の透過量に影響を与えてしまいうため、検査前にはずす必要があります。
ボルトなど、体内に金属などを埋め込まれている方は、必ず事前に医師、放射線技師、看護師などにお伝えください。
治療を受ける前の準備
頭部の検査
ヘアピン、ピアス、イヤリング、補聴器などははずしておきましょう。
下顎などから検査をする場合には、義歯も取ります。
これらのものはエックス線を通しにくいため、正確な画像が得られなくなるからです。
頭~首、胸部の検査
専用のガウンに着替えます。
ボタンやビーズなどの洋服の装飾や、ブラジャーなどが検査に支障をきたす恐れがあるためです。
腹部の検査
専用のガウンに着替えます。
さらに、基本的には検査当日の朝から絶食をして検査を受けていただきます。
手足の検査
検査部位に洋服のボタンなどがかかる場合には、ガウンに着替えていただきます。
手足の検査では、無意識に身体を動かしてしまうケースもあるので、場合によっては身体を固定します。
造影剤使用の検査
基本的には検査当日の朝から絶食していただきます。
造影剤は注射で静脈から入れます。その際、針を刺す時の痛みと、造影剤を注入する際の血管痛があります。
造影剤注入のとき、重篤な副作用を起こすケースがごく稀にあるので、アレルギー反応や薬の副作用等がある方は、前もってお伝えください
また、検査中に吐き気など異常な症状を感じたら、すぐに医師や放射線技師、看護師に伝えてください
小児や妊娠可能な女性の検査の場合
検査で使用するエックス線の量は必要最低限に抑えていますが、小児や妊娠可能な女性にはプロテクターなどをつけ、生殖腺を防護することもあります。
検査の様子

検査を受ける方の病状や体調などによって異なりますが、通常はベッドに仰向けに寝ていただいて撮影します。
検査が始まったら、なるべく身体を動かさないようにしてください。身体が動くと、画像が不明瞭になってしまう可能性があります。

ベッドに横たわると、ベッドが頭の方向に移動して、ガントリーの内側で撮影が行われます。
検査時間は撮影部位にもよりますが、10~30分程度です。

頭部の検査
検査時間は5~7分程度です。
造影剤を使うと、さらに15分前後時間がかかります。
頚部・胸部・手足の検査
検査時間は5~7分程度です。
造影剤を使うと、さらに15~20分前後時間がかかります
撮影するときに20~30秒程度、息を止めるよう指示がありますのでご協力ください。
腹部の検査
検査時間は5~8分程度です。
造影剤を使うと、さらに15~20分程度時間を要します。
撮影するときに20~30秒程度、息を止めるよう指示がありますのでご協力ください。

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エックス線CTのバリエーション

3次元画像を撮影できる機器も

エックス線CTには、様々なバリエーションがあります。中でも3次元画像(3D画像)を可能にしたのが、ヘリカルCT(らせんCT)です。
普通のCTでは、エックス線管球は1回転しかできず、1スライスの画像を撮るごとに身体をずらして再び管球を回転させます。
ヘリカルCTでは、管球が絶え間なく回転し続けるので、部位を動かしながら継続して撮影することができます。
造影剤を使えば、コンピュータ・グラフィックによって血管の走行も3D(3次元)で表せます。


▲ヘリカルCTでは全身をらせん状に撮影▲


左の画像は、胆のう造影時に撮影されたヘリカルCTのデータを3次元的に処理し、表示したものです。
胸椎や肋骨との位置関係や、胆のう内の結石(矢印)の様子が良くわかります。

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