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動脈年齢をわかわかしく!(その1)大動脈硬化と動脈硬化とは?
この対策にはさまざまあります。以下の提案を参考にして、柔軟にためしてみてください。
まず禁煙はさけて通れません。
血圧はおさえで安定させましょう。
カロリーをひかえめにしましょう。
寒流魚、野菜、果物、大豆、緑茶、ニンニク、キノコや豆類の植物繊維、赤ワインはおすすめです。
牛肉、豚肉、バター、マーガリン、乳製品はひかえめにしましょう。
マーガリンの誤解を解消しましょう。塩分と糖分はひかえめにしましょう。
適度の運動をしましょう。
理想体重のプラス10%以下におさえましょう。
前回お話しましたように、人の寿命は血管次第といわれます。
血管の中でも動脈をわかわかしくしておくには、血圧と食べ物のカロリー特に脂肪に注意をはらいましょう。
牛肉、豚肉に多い飽和脂肪酸そしてオメガ-6脂肪酸の多い植物オイルを減らしましょう。
オメガ-3脂肪酸の多い魚をとりましょう。
カロリーをへらして、野菜や果物をとることに心がけましょう。
脂肪の内容に気をとめることはがん予防ばかりでなく、動脈硬化予防を含めて生活習慣病予防につながり、健康全体にプラスします。
よい脂肪をとる提案の背景について三回にわけてお話しましょう。
大動脈硬化と動脈硬化とは?
大動脈は心臓から上に向かい、左方に弓なりに急カーブ(弓部)して背骨の左側に沿って下降し、下腹部で両足に向かって二股にわかれます。
若いときの大動脈は長さ約30センチメートルの弾力性のあるかたいゴムのような筒状構造です。
ここから大きな動脈が多数枝分かれしています。心臓のポンプ作用による最大血圧に対して、最小血圧は弾力性のある大動脈のクッション効果と細い動脈の抵抗を示しています。
両者の圧差はわずかの時間のずれで動脈壁に沿って伝わっていきます。
従って、実際の最小血圧は大動脈で吸収された圧力として測られることになります。
つまり、弾力性がない大動脈だと最小血圧に強く影響を与えます。
大動脈硬化の特徴は内壁に脂肪の塊のような粥腫(ジュクシュ)ができることです。
これのできやすい場所は弓部と腹部で、いずれも大きな動脈が枝分かれするところです。
粥腫のおこりやすいもうひとつ重要な部位は、脳に行く両側の頚動脈であり、これは耳の高さで内外に二股にわかれます。
血流の枝分かれするところで血流が乱れるため、内側の壁にある内皮細胞にひずみのストレスが加わり、内皮細胞のこわれが局所に炎症と粥腫をひきおこすことになります。
大動脈から枝分れした動脈は壁に平滑筋のある筋型動脈になり、さまざまな臓器に血液を供給します。
動脈硬化ということばは、大動脈硬化を含めて使われることが多いですが、両者は構造と働きそして役割が大きく異なっており、動脈硬化の成り立ちも大きく異なります。
筆者の病理解剖の経験(約1000例)からわかったことは、日本人ではおおむね男性は50歳代になると大動脈の内壁に小さな黄色の斑状の粥腫(ジュクシュ-アテローマ)がところどころに目立つようになり、部分的にカルシウムがたまった石灰化という状態になります。
粥腫をつくるもとが悪玉コレステロールです。
大動脈硬化の程度は性差が明らかで、女性では男性に比しておおむね軽度です。
大動脈の粥腫や硬化の程度は栄養状態にも依存し、年齢とともに強くなっていきます。
大動脈は30歳代まではしなやかですが、40歳台を過ぎる頃から大動脈は徐々に伸びてひろがり、硬さをゆっくり増していきます。
従って大動脈硬化とは、壁に脂肪やカルシウムが長い年月の間にたまって、弾力性が低下することに他なりません。
そして長さも最終的には40センチメートル近くに延長蛇行し、太さも1.5倍にひろがってしまいます。
高脂血症や糖尿病あるいは慢性腎不全に対する長期透析の状態では、年齢に無関係に大動脈硬化や動脈硬化の程度はたいへん強くなります。
これらの原因はかなりわかってきています。
高血圧がなくても物質の出入りがおかしくなると動脈硬化がひどくなることがわかってきます。
このような病気のことを最近メタボリック症候群などといったりして、まさに生活習慣病そのものです。
物質の出入りのおかしくなった状態の肝硬変の場合、若い時期になった肝硬変では、年相応の大動脈の粥状硬化や石灰化はまれです。
年をとってから肝硬変になった場合では大動脈硬化は明らかであります。
このことから一度起こった大動脈硬化はなかなか元には戻らないことを示しています。
これらのことは次のことを示しています。
肝硬変の状態では、血液中のエストロゲンが増加しています。
肝臓内で、エストロゲンは善玉コレステロール合成が高め、悪玉コレステロール合成を抑えています。血液中のエストロゲンが高いと、男性の女性化が目立ちます。例えば肝硬変の患者で見られる女性化乳房とは男性の乳腺の大きくなった状態です。
睾丸の萎縮も目立ちます。
エストロゲンは血液中の動脈硬化にかかわるホモシステインというアミノ酸を低める作用があります。
血液中のホモシステインは長期透析中に増加し、透析時にみられる高度の動脈硬化の主因と考えられています。
したがって、女性ホルモンは動脈硬化を防ぐ力があると考えてもよいでしょう。
一般的に動脈硬化は、高血圧、糖尿病、高脂血症、腎臓病、肥満、喫煙歴などのリスク因子の期間に比例して悪化します。
適度な飲酒はアルコールの種類に関係なく動脈硬化を抑えるという研究報告があり、注目されます。
糖尿病の場合はとくに細い動脈硬化の方が目立ちます。
たとえば、目の網膜、腎臓の細い動脈、末梢神経の細い栄養動脈のかたさがつよくなります。つまり視力や腎機能あるいは手足の知覚などが鈍くなります。
心臓病では、冠動脈硬化の原因としてクラミジアやヘルペスウィルス、サイトメガロウィルスの感染が疑われる場合があります。
これは比較的まれなことですが、こうした考え方は新しい病気の見方であります。
動脈硬化についても、発想転換が必要な時代になっています。
血圧を整え、血液の善玉コレステロールを高め、喫煙などの酸化ストレスを減らしておくこと、そして血小板や内皮細胞を健全に保っておくことが、脳、心血管系の病気にならない秘訣です。
日頃から抗酸化物質の十分な補給と良好な脂質代謝の維持のためにコツで示したように食べ物を適切に選んでとることが大切でしょう。